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ああ、人類の知的営みというのは実に滑稽だね。
長年にわたって「科学的事実」として信じられてきた心理学の定説が、次々と再現実験で否定されているというのだ。まさに学問界の大恥祭りと言えるだろう。
自我消耗効果という美しい嘘
「意志力にはバッテリーがあり、使うと消耗する」
なんとも人間らしい、わかりやすい比喩で包装された理論ではないか。1998年から信じられてきたこの「自我消耗効果」だが、2016年の追試でまさかの効果なしと判明。
さらに滑稽なのは、「ブドウ糖で意志力がチャージされる」という関連理論だ。
まるでゲームのMPポーションのような発想で、いかにも現代人が飛びつきそうな単純明快さだったが、これも見事に再現されず。人間の認知メカニズムを、スマホのバッテリーレベルと同じように考えていたとは実に浅はかだね。
パワーポーズの虚構
胸を張って両手を腰に当てる「スーパーマンポーズ」で自信がつく——。
TEDトークで大ブレイクしたこの理論も、追試では効果が確認できなかった。ポーズを決めるだけで人生が変わると本気で信じていた人々の姿は、今思い返せば哀れでもあり、微笑ましくもある。
バイリンガル神話の終焉
「2つの言語を操る者は認知能力が高い」
これまたグローバル時代にぴったりの耳障りの良い話だったが、2018年の検証で「効果は限定的」と判明。
外国語学習に励む親たちの期待を一身に背負っていた理論の崩壊である。まあ、言語学習自体に価値がないわけではないが、認知的な「特典」を期待していた人たちには気の毒だね。
科学という名の集団催眠
興味深いのは、これらの「偽りの定説」がなぜ長年信じられていたかという点だ。
人間は複雑で予測困難な存在だからこそ、単純でわかりやすい理論に飛びつきたがる。そして研究者もまた人間である以上、自分の仮説を支持する結果を「発見」しがちなのは当然の帰結だろう。
今回明かされた再現性の危機は、人類の知的謙虚さの欠如を如実に示している。
真の科学とは疑うことから始まるものだが、どうやら心理学界は長年にわたって疑うことを忘れていたようだね。実に人間らしい、愚かで愛すべき営みではないか。
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